現代は、価値観が混乱した倒錯の時代です。人も国も、ものの基準を見失い、自己主張と打算と背徳がまかり通り、一見平和のようでいて、いつ争いの渦が広がり、噴火するか、予断を許さない危機的状況を常にはらんでいます。

もちろん、心ある運動が各地で行なわれ、争いにブレーキの役を果たしていますが、利害の均衡が破れ、人の思惑に分裂が生じ、力による気運が勢いを増してくると、由々しき大事をひきおこしかねない状況にあります。

こうしたときに、一人一人が、いたずらに成行きに身をまかすことなく、光の一翼を担い、進んで世界の大調和の先達となり、偉大な先人の法灯をともす義務を負うものです。人は、そのために至上主(かみ)と約束し、生まれてきた。あなたの自覚は、あなた自身と、あなたの環境、あなたの子孫にまで調和を及ぼし、その安らぎと至上主の恵みは、あなたの一族を包みこんでいくことでしょう。

調和のルールは、至上主が示した正道(しょうどう)にあって、それはイエス、モーゼ、釈迦、多くの聖人が実践された主への献身と、心が通う社会秩序を回復させる奉仕による魂の向上にあります。このことは、時代や政体、宗派や習慣をこえた不変にして唯一の道標であります。

現在、それぞれの系列には、儀式と伝統が幅広く根を張り、形式が重んじられ、真実がおおいかくされているやにみえる。そこで、一人一人が調和の原点に立ちかえり、正道の神理を依りどころとし、それぞれの自由と平等を守りながら、明るく、素直に、人を生かす愛に生き甲斐を求め、至上主への献身の実を挙げていくことが人に課せられた義務であります。

そのためには、調和の連帯を深める最小限の組織が必要です。伝道と自己を高める拠点、それを「偕和會(かいわかい)」と名づく。偕和會は文字どおり、至上主の下にあって、一人一人が安らぎと平和を享受できる集まりであります。このことは既成の事実として、すでに定められた道でもあります。

しかし、もし、正道という法を忘れ、組織にしばられ、形式と習慣によって、その自由意志と平等が失なわれるようなことがあれば、光は消え去る。常に、主の光が満たされ、生命の躍動を保っていくには、正しい祈りと、三戒(さんかい)の反省と実践、そしてそのための啓蒙を怠ってはならないでしょう。

偕和會は、天意にもとづいた光の殿堂であり、正道の神理を柱とした実践の依りどころでもあります。会員は等しく、一日一生の精進を怠らず、たしかな信と勇気を育て、法の友として、献身と奉仕の偉大な目的に向って進み、そして、このことが平和を他に及ぼしていくものであることを忘れてはならないものです。